土ってどんなものを思い浮かべますか?
土ってどんなものを思い浮かべますか?田んぼの粘土や海岸の砂?土には、粘土や砂のこれらは土粒子の大きさによって分類したときの名称であり、細かいほうから粘土、シルト、砂、礫、岩石と呼び名が変わっていきます。
粘土と砂では見た目や触った感じが違います。まして土と岩石ではまるで別種の物質であるかのようです。ところがアルミ、銅、鉄などが化学的に異なる組成であるのとは異なり、粘土と砂が区分されるのは粒子の大きさによるのです。
同じ素材をわざわざ別の呼び名で言い換えるのには理由があります。土質工学的に土を扱おうとすると、粒子の大きさによって力学的な性質も変化するからです。
粘土には【粘着力】という粘りがあります。粘土は0.005mm以下と細かいので、粒子の周りには吸着水という水の分子が取り付き、その作用でイオン化したプラスとマイナスのイオンが粘土粒子どうしを引き合わせているのです。
一方、砂には粘りはありません。イオンが引き合う微小な力よりも地球の重力の作用が強く働き、積み重なっている砂の粒子が互いに接触することで砂の粒子の間には【摩擦力】が生まれ、その摩擦力がある砂ほど強度を発揮します。
ちなみに、粘土のなかでももっとも細かいコロイドが戸建住宅の地盤として扱われることはほとんどありません。コロイドまでいくと土質というよりもイメージとして化粧用の乳液やインクなどがコロイドです。手に砂を握って振り払うと砂粒はぱらぱらとこぼれ落ちます。砂の粒子が粗いので、重力に抗しきれないのです。ハンドクリームが皮膜となって手の保護をしてくれるのは、コロイドが手に吸着して容易には離れないからです。
今回お伝えしたかったのはどちらの土がいいと言う話ではありません。土のよって性質が違うことを覚えていただければと思います。
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